ペットともっと心地よく暮らすために。リノベーションでつくる、うちの子にやさしい住まい

ペットは今や「家族」の一員。大切な家族と快適に、そして長く幸せに暮らすためには、人間だけでなくペットにとっても過ごしやすい住まいが必要です。とはいえ、既存の住宅がペットに優しい設計になっているとは限らず、住まいに不便や不安を感じる飼い主さんも少なくありません。
こんなお悩みを感じたことはありませんか?
- 「フローリングが滑って、ペットの足腰が心配…」
- 「毛やよだれで壁が汚れて、おしゃれな内装が台無しに…」
- 「鳴き声や足音が響いて、近所への音漏れが心配…」
「トイレのにおいや掃除が大変で、ストレスになっている…」
そんな方におすすめなのが、「ペット共生型リノベーション」です。
住み慣れた家を、“人”だけでなく“ペット”にとっても快適な空間に変えることで、暮らしのストレスが驚くほど軽減されます。
今回は、ペットと暮らすうえで役立つリノベーションのアイデアを、たっぷりご紹介します!
今、注目されている「ペット共生リノベーション」とは?

ここ数年で、「ペットは家族」という意識は大きく広がりました。
一緒に寝て、一緒にくつろいで、まるで人間の子どものように接しているというご家庭も珍しくありません。
近年では、犬や猫だけでなく、ウサギやフェレット、鳥など多様なペットを飼う家庭も増えています。
しかし、今の住宅設計は基本的に人間のためにつくられたもの。
ペットにとっては、滑りやすい床、落ち着かない動線、においがこもる空間など、不便で危険なことも多いのです。
「もっと自由に、もっと安全に、もっとのびのびと暮らさせてあげたい」
そんな想いをかなえるのが、ペットと暮らすためのリノベーションです。
ペットと暮らすリノベのポイント5選
滑らない床で安心・快適
ペットの健康と安全に最も直結するのが「床材の選び方」。
ツルツルしたフローリングは、犬や猫にとっては関節への負担が大きく、特にシニア期には転倒のリスクもあります。
最近は、滑りにくく、クッション性のある床材が多く登場しています。たとえばクッションフロアは柔らかく足腰に優しいうえ、傷にも強く、掃除がラクというメリットも。
フロアタイルも人気で、見た目は木目調なのに耐水性・耐久性が高く、ペットの爪にも強い仕様になっています。ペットも人も安心して過ごせる床づくりが、快適な住まいの第一歩です。
壁も“うちの子仕様”にカスタマイズ

ペットと快適に暮らすためには、壁紙や壁材選びにもひと工夫を。特に猫を飼っているご家庭では、壁の爪とぎによる傷が気になることが多いですが、ペット対応の壁紙を使うことで、長持ちしやすく掃除もラクになります。たとえば、消臭・防汚機能付きで傷に強いクロスを選ぶと、においや汚れの軽減にもつながります。
さらに、腰壁や下部のみ異素材の壁材にすることで、爪とぎ対策も効果的です。加えて、キャットウォークや猫用ステップ棚を壁面に設置すれば、猫の上下運動を促せるだけでなく、運動不足やストレスの解消にも◎。縦の空間を有効活用することで、見た目もスタイリッシュに仕上がり、インテリア性も損なわれません。
動きやすさを意識した間取りでペットもリラックス

間取りを見直すだけでも、ペットの快適度はぐっと上がります。
たとえば、
- 部屋をぐるっと回れるようにした「回遊動線」
- 人が閉めてもペットが自由に通れる「ペットドア付き建具」
- トイレやゲージを“見せない収納”と一体化した設計
など、ペットの自由な移動と、家族の視界の快適さの両立が可能になります。
また、猫には“隠れられる場所”を、犬には“落ち着けるパーソナルスペース”をつくってあげると、精神的な安定にもつながります。
音とにおいへの配慮も忘れずに

ペットと暮らしていると、どうしても気になるのが「におい」と「音」。
- 犬の鳴き声や足音が、近隣へ響かないか…
- トイレまわりのにおいが、家の中にこもっていないか…
そんな悩みに対しては、防音リフォームや換気機能の強化が効果的です。
たとえば、壁や床に吸音・遮音材を仕込む施工をすることで、生活音の伝わり方が大きく変わります。また、ペットトイレの周囲には脱臭クロスを使い、換気扇の設置位置を見直すだけでも、空気の流れが改善されます。
「ペットのいる家って思えないくらい快適!」
そんな空間づくりは、機能とデザインの両方からアプローチすることがポイントです。
“安全第一”の空間設計
好奇心旺盛なペットは、家の中の「危険ゾーン」に思わぬ行動をとってしまうことがあります。
たとえば、
- 電源コードを噛んでしまう
- 食べてはいけないものを誤飲する
- 階段や段差で足をくじいてしまう
こういったリスクに対しては、コンセントの位置を高く設定したり、コード類を壁内に収納したりといった基本的な工夫が効果的です。
さらに、スロープの設置や段差の軽減リフォームも、ペットの成長や老化に備えた準備としておすすめです。
ペットの視点で危険を減らしてあげることで、家全体の安心感がぐっと高まります。
リノベを成功させるための3つのコツ

最後に、ペットとの暮らしをより快適にするために、リノベーションを考える際に押さえておきたいポイントをまとめました。
① ペットの性格・行動パターンを把握する
→ よくいる場所、苦手な環境、日中の過ごし方など、日常の様子をしっかり観察しましょう。習性に合わせた設計が、ストレスの少ない住まいづくりにつながります。
② 将来のライフスタイルの変化も考慮する
→ ペットの成長や老化、家族構成の変化など、数年後の暮らしにも目を向けて、長く快適に暮らせるプランを意識しましょう。
③ 見積もり・設計の段階から細かく要望を伝える
→ 「できる限り傷に強い素材を使いたい」「換気を重視したい」など、具体的な要望は早い段階でしっかり共有することが重要です。後からの変更が難しい場合もあるため、最初の打ち合わせがカギになります。
まとめ:リノベで叶える、ペットと人、両方が幸せになる住まいを
ペットと暮らすということは、生活をともにするということ。
だからこそ、「うちの子が快適であるかどうか」は、飼い主自身の心地よさにも直結します。
「滑らない床にしたい」「おしゃれで清潔感のある家にしたい」「安全に長く一緒に過ごしたい」——
そんな願いを叶える手段として、リノベーションはとても有効です。
今の住まいに少し手を加えるだけで、ペットとの毎日がもっと豊かに、もっと安心に変わっていく。
それは、きっと人にとっても、かけがえのない価値になるはずです。