リノベーションで考えたい太陽光発電|補助金・蓄電池・防災まで徹底解説
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住宅のリノベーションを考えるとき、「間取り」や「デザイン」「断熱性能」に目が向きがちですが太陽光発電をはじめとした住宅設備も大切なポイントです。
電気代の高騰、脱炭素社会への流れ、そして地震や台風などの災害リスク。
こうした背景から、太陽光発電や蓄電池といった設備は快適性だけでなく“安心”を支える存在になりつつあります。
さらに現在は、国や自治体による補助金制度を活用できるケースも多く、リノベーションと同時に導入することで、初期費用の負担を抑えられる可能性があります。
今回は、太陽光発電を中心に、蓄電池との組み合わせ、補助金、そして防災の視点から、リノベーション時に知っておきたいポイントを整理していきます。
太陽光発電は「売る時代」から「使う時代」へ
※ただし、容量によっては“売る”選択が有効なケースも
以前の太陽光発電は「発電した電気を売る」ことが大きな魅力でしたが、固定価格買取制度(FIT)の買取価格が下がった現在では自家消費を前提とした考え方が主流になってきています。日中に発電した電気を自宅で使うことで、電気代を抑えられるだけでなく、災害時の備えとしても役立ちます。
一方で、設置容量によっては売電を重視した方が合理的なケースもあります。
たとえば、10kW以上の太陽光発電システムを設置できる場合、発電した電気は基本的にすべて売電した方が、導入コストの回収効率が高くなることがあります。特に、屋根面積に余裕があり、日中不在が多いご家庭では、「使わずに売る」前提で設計する方がシンプルな選択といえるでしょう。10kW以上の太陽光発電は、生活用設備というより発電設備として捉え、売電による収益性を重視しつつ、防災面は自立運転機能による最低限の電力確保を別軸で考えるのが現実的です。
災害時、電気が使えない期間は「約1週間」
大規模な地震や台風が発生した場合、停電が完全に復旧するまでおおよそ数日〜1週間程度かかるケースも少なくありません。
その間、電気が使えないことで最も困るのが、
- 冷蔵庫が止まり、食品が傷む
- スマートフォンが充電できず、情報収集ができない
- 夜間に照明が使えず不安が増す
といった、日常生活の基本部分です。
ここで役立つのが、太陽光発電と蓄電池です。
太陽光パネルから「直接」電気を使う
蓄電池がない場合でも、自立運転機能がある太陽光発電システムであれば、停電時に発電した電気を直接使用することができます。
この場合、使える電力には制限があるため「冷蔵庫のみ」に電力を集中させる設定が、現実的かつ十分な対策になります。
冷蔵庫が動いていれば、
- 食品を長期間保存できる
- 飲み物や薬の保管が可能
- 最低限の生活リズムを維持できる
といったメリットがあり、災害時のストレスを大きく軽減できます。
蓄電池を導入する場合の考え方
蓄電池を導入すると、発電した電気をためておき、夜間や停電時にも使えるようになります。その際に確認したいのが、どこまで電気を使えるようにするかという点です。
多くの人が「蓄電池を入れれば、停電しても家中いつも通り使える」 とイメージしがちですが実際には容量・出力・使い方に大きな制約があります。
現実的な選択肢は「特定回路」+「必要最低限」
多くの住宅で現実的なのは、
- 冷蔵庫
- 照明(一部)
- スマートフォン・通信機器
- テレビ
など、生活維持に必要な回路だけを蓄電池につなぐ方法です。
この方法であれば、蓄電池1台でも対応可能、導入コストを抑えられ災害時の安心感が高いというバランスの取れた備えになります。
太陽光発電と組み合わせると現実性が上がる
蓄電池単体では限界がありますが太陽光発電と組み合わせることで
- 日中に発電 → 蓄電
- 夜間に蓄電池を使用
- 天候次第で繰り返し運用
といった電気の自給サイクルが可能になります。
なぜ「全館対応」が難しいのか?
住宅用蓄電池には、容量と出力の両面に限界があります。
一般的な蓄電池の容量は約5〜7kWh、または約10〜12kWhが主流ですが、一般家庭が1日に使用する電力量は約10〜15kWh程度とされており、蓄電池1台では半日〜1日程度で電力を使い切ってしまうケースが多くあります。
また、蓄電池には一度に使える電力量(出力)にも制限があり、多くの住宅用蓄電池の最大出力は3〜5kW程度です。そのため、エアコンやIHクッキングヒーター、電子レンジ、給湯設備などを同時に使用すると、出力オーバーになる可能性があります。
このように、配線上は全館に電気を送れる場合でも、実際には使える家電を絞る必要がある点が、全館対応が難しい理由です。
補助金は「国+自治体」のダブルチェックが重要

太陽光発電、蓄電池、エコキュートの補助金は、
- 国の補助金
- 都道府県・市区町村の補助金
を併用できる場合があります。
ただし、申請タイミングや条件、予算枠には注意が必要です。
リノベーションを検討する段階で「どの設備が、どの補助金の対象になるのか」を早めに確認しておくことが、後悔しないポイントです。
リノベーションだからこそ、設備計画を“未来基準”に
これからの住まいに求められるのは「おしゃれ」や「広さ」だけでなくエネルギーを自立して使える力と災害に強い備えです。
リノベーションのタイミングであれば、屋根形状や配線計画を含め、暮らし方に合った容量設計がしやすくなります。補助金を上手に活用しながら、 “もしも”のときにも家族を守れる住まいづくりを考えてみてはいかがでしょうか。
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