“気持ちいい家”は素材から|自然素材でつくる、深呼吸したくなる毎日
2025.05.30
― 自然素材の家の魅力と失敗しないポイント ―

今、自然素材のリノベーションが選ばれている理由とは?
「家をもっと心地よくしたい」
「アレルギーや湿気が気になる」
「自然と共にある暮らしがしたい」
そんな声から、今注目を集めているのが自然素材を使ったリノベーションです。
無垢材や珪藻土、漆喰などの自然素材の家は、見た目がおしゃれなだけでなく、調湿・消臭・断熱性などの実用面にも優れています。
本記事では、「自然素材の家に住みたい」と思っている方へ向けて、自然素材リノベーションの魅力・注意点・よくある質問をわかりやすくご紹介します。
自然素材の家にリノベーションするメリット

自然素材を取り入れたリノベーションには、見た目のナチュラルさだけではなく、健康・快適性・経年変化の美しさといった、日々の暮らしに深く関わるメリットがあります。ここでは主な3つをご紹介します。
✅ 調湿性で空気がきれいになる 〜“呼吸する素材”がつくる快適な空間〜
漆喰や珪藻土といった自然素材は、室内の湿度を自動的に調整する性質を持っています。多湿時には湿気を吸収し、乾燥時には放出することで、室内の空気を適度な状態に保ちます。これにより、結露やカビの発生を防ぎ、空気の質を安定化させることが可能になります。
特に日本のように四季の湿度変化が大きい地域では、調湿効果のある壁や床材の使用が、室内環境を快適に保つ上で非常に有効です。
さらに、漆喰などには抗菌・消臭効果も期待されており、住宅内のにおいや雑菌の抑制にも一役買います。換気のしづらい冬や、閉め切りがちな住宅環境でも、空気がこもりにくく、快適な状態を維持しやすいのが特長です。
✅ アレルギー対策にも効果的 〜化学物質に頼らない家づくり〜
現代の住宅では、合板・接着剤・ビニールクロスといった人工素材が多用されるため、揮発性有機化合物(VOC)やホルムアルデヒドなどの有害物質が発生するリスクが懸念されます。これがアレルギー反応やシックハウス症候群の原因となるケースもあります。
自然素材は、化学物質の使用を最小限に抑えた安全性の高い素材であり、住環境の質を根本から見直したい方にとって最適な選択です。特に、小さな子どもや高齢者がいる家庭では、室内環境の安全性が生活の質を大きく左右します。
自然由来の塗料や接着剤を使えば、より一層アレルギーや化学物質に対する不安を軽減でき、“空気を吸う”という日常の行為そのものを安心できるものに変えることができます。
✅ 経年変化を楽しめる 〜時とともに美しさを増す住まい〜
自然素材のもうひとつの魅力は、「経年変化」が楽しめることにあります。たとえば、無垢材は時間が経つにつれて色が深まり、ツヤが出て、風合いが増していきます。これは合成素材やプリント合板にはない特性です。
新築当初の美しさをそのまま維持しようとするのではなく、暮らしの履歴を美しさとして受け入れ、愛着を育むことができるのが自然素材の家の特徴です。
また、メンテナンスも特殊なスキルを必要とせず、オイル塗りや簡単な修復はセルフケアで対応可能です。素材の「素直さ」が、暮らしに対する主体性と関与感を生むという点でも魅力的です。
自然素材は、暮らしの質を根本から高める
調湿性・安全性・経年美化といった多方面の特性により、自然素材は単なる“インテリアの選択”ではなく、「どう暮らしたいか」を形にするための重要な手段となります。
見た目だけではない、“質”を重視したリノベーションを目指す方にとって、自然素材は非常に有力な選択肢となるでしょう。
よくある不安とその対策
自然素材のリノベーションに興味があっても、実際に検討する段階で多くの人が感じるのが「費用」や「手入れ」についての不安です。ここでは、よくある疑問に対して、現実的な対策と視点の転換をお伝えします。
❓ 自然素材のリノベーションは高い?
→ 予算調整と使いどころの工夫で、コストは抑えられる
「自然素材は高価」というイメージを持たれがちですが、実際のところは選ぶ素材の種類やグレードによって価格に大きな幅があります。たとえば、同じ無垢材でもスギやパインは比較的安価で、ウォールナットやチークなどの高級材はコストがかかります。
重要なのは、「すべてを自然素材にする必要はない」という柔軟な視点を持つことです。
たとえば、以下のような工夫で費用を調整できます:
- 床や壁など「直接肌に触れる場所」だけ自然素材にする
- 水回りや収納の内装には、耐久性の高い既製品を選ぶ
- 無垢材のフローリングでも、幅が狭い・節ありグレードを選べばコストを抑えられる
また、長期的な視点で見れば、自然素材の家は経年劣化ではなく「経年美化」していく特性を持っており、再塗装や張替えの頻度が少なく済むことも。メンテナンスコストまで含めた“ライフサイクルコスト”で比較することが大切です。
❓ お手入れが面倒では?
→ 手をかける手間は、“住まいとの関係性”を育む時間になる
自然素材は人工素材と異なり、キズやシミが付きやすい・水に弱いといった性質があります。しかしそれは「管理が難しい」ということではなく、「素材に合わせた付き合い方を知ること」がポイントです。
たとえば無垢材の床なら:
- 定期的に自然オイルを塗るだけで風合いを保てる
- 小さな傷はサンドペーパーやスチームで簡単に目立たなくできる
- 表面だけを張り替える必要がない「削って再生できる素材」でもある
さらに、こうしたケアは専門業者に頼らずDIYでも対応可能なことが多く、家族でのメンテナンスが「住まいへの愛着」につながるケースも少なくありません。
日々の掃除も、強い洗剤を使わずに済むため、身体と環境の両方にやさしい暮らしが実現できます。
視点を変えると、不安は「愛着」や「納得」に変わる
自然素材のリノベーションは、確かに多少の手間やコストが発生するケースがあります。ただし、それは「不自由」ではなく、**素材と向き合いながら暮らす“心地よい丁寧さ”**とも言えます。
大切なのは、「どこにこだわり、どこは実用性を重視するか」というバランス。
その判断さえクリアになれば、自然素材の魅力を活かしたリノベーションは、自分たちらしい暮らしをつくる力強い選択肢になるでしょう。
自然素材リノベで失敗しないコツ

家族構成と素材の相性を考える
小さなお子さんがいるご家庭は、無垢材の床×自然塗料の組み合わせが人気です。合板フローリングよりも滑りにくく、転んでもやさしいクッション性があります。
ライフスタイルに合わせたゾーニングを
例えば、リビングや寝室など「くつろぎの空間」には自然素材を採用し、水回りは耐水性を重視した素材にするなど、素材の使い分けがポイントです。
「自然素材を取り入れるリノベーションのコツ」
「素材選びは“見た目”より“触れる頻度”が大切。長く使う空間こそ、五感に心地よい自然素材を選ぶべきです。」
また、建築士との打ち合わせ時には「自然素材にどこまでこだわりたいか」も明確にしておくと、無理のないプランが立てやすくなります。
自然素材リノベーションが向いている人の特徴
- アレルギー・敏感体質の人
- 子どもやペットと健康的に暮らしたい人
- DIYやセルフメンテナンスが好きな人
- 経年変化を「味」として楽しめる人
- サステナブルなライフスタイルを志向する人
まとめ:自然素材の家で、自分らしい暮らしを

自然素材を使ったリノベーションは、ただ“ナチュラルでおしゃれ”というだけでなく、暮らしそのものを見直すきっかけになります。
「どんな家に住みたいか」は、「どんな生き方をしたいか」と同じ。
素材から考えるリノベーションで、心と体に心地よい、あなただけの住まいを見つけてみませんか?